シンガポールへの赴任とともに、家族の一員である犬も連れて行く計画を、注意点を交えて徹底解説しています。
この記事を読んで、シンガポールに犬を自力で連れていくことができた!というお声をたくさんいただいています。
さて、犬をシンガポールへ連れていくにはどうしたらいいのか、自分で準備して連れていく手順を、3編に渡ってお届けします。
2024年7月1日から、処置手順の一部が変更されていますので、ご注意ください。
とくに、「抗体価検査の採血は、2回目の狂犬病予防接種28日後以降、かつ出国12か月~90日前の間に行う」点が大きな変更です。
*2024年12月31日までは移行期間で、以前の条件で渡航許可が申請できます。
*シンガポールに渡航するワンちゃんがたくさんいて、多くの問い合わせをいただいております。
検疫所に尋ねるほどでもない個人的なご相談などがございましたら、いつでも遠慮なくお問い合わせください。
お応えできる範囲でお手伝いさせていただきます。
今回のまとめ
- 渡航まで6か月は準備期間としてみておく
- ペットの心身の健康状態、渡航条件を把握して、渡航に耐えうるか確認する
- 犬種による渡航の可否、頭数制限などにも注意
- 早めにケージを用意して慣れさせる
- 全体スケジュールを組んで、間違いがないか確認する
シンガポールに限らず、海外へ犬を連れていくには、何よりまず情報が必要です。
これらがわかれば、あとは、
といった流れです。
今回の記事では、1-3までを順番にみて、スケジュールを立てるところまでを行います。
なお、4の「行動開始、要求事項を実施する」は、その2として、次の記事にて解説しています。
ちなみに、5の「渡航当日、犬を連れて保健所、そして現地へ」は、その3としてさらに別記事で解説しています。
ではさっそく、シンガポールに犬を連れていく計画編 1.から順にみていきましょう。
1. そもそも、海外にペットを連れていけるのか
これは、大きく分けて4つ情報が必要です。
a. ペットと飼い主の心身状態、物理的運搬条件
海外移住となると、その移動距離と移動時間はとても長く、ペットと飼い主のどちらにとっても相当な負担がかかります。
ペットが幼すぎる場合や高齢の場合、心身状態が良好でない場合など、まず渡航させるか否かの飼い主による判断が重要です。
またペットの大きさや頭数によっては、渡航時の運搬も考慮しなければなりません。
特に大型犬や複数頭を連れていく場合には、物理的に運搬できる方法を考慮する必要があります。
さらに、人間用の荷物も大型になりがちです。
無理なく安全に運搬できる方法を検討しましょう。
ちなみに、日本の検疫所での健康診断所要時間は30分~1時間程度(健康状態や処置具合による)。
渡航時に空港カウンターに犬を預けるのは出発3時間前。
日本からシンガポールへの渡航時間は約7時間。
シンガポールでの検疫所チェック終了までの所要時間は、到着時刻から約1~3時間。
つまり、日本の検疫所からシンガポールの検疫所までだけで、最短でも12時間はかかると思ってください。
それだけの長時間、ペットはケージの中で、不安な気持ちで移動を続けます。
b. 日本国の出国条件を満たせるか
あなたのペットは日本から出国できる種類ですか?
ペットを出国させるには条件があります。
犬猫の場合は動物検疫所の情報が必要です。
必ず最新版の内容を各自で熟読してください。
また、帰国時のことも念頭に置いて読みましょう。
ただし、短期(旅行程度)で帰国する際には日本に入国するための要件も満たさなければなりませんが、長期滞在(180日の日本入国前待機が可能)であれば、輸出検査を受けるだけで、さほど厳しい条件はありません。
(とは言っても、長期滞在でもシンガポール入国側の条件により抗体価検査などは必須です。)
短期か長期か判断に迷う際は、渡航予定の空港の検疫所に相談してください。
丁寧に教えてくれます。
c. 赴任先の入国条件を満たせるか
行先によっては犬猫のペットを連れていけない国もあります。
また入国条件も様々です。
例えば、シンガポールへ犬を入国させるには、AVSと呼ばれる認可局の示す条件を満たす必要があります。
必ず最新版の内容を各自で熟読してください。
また、こちらも帰国時のことも念頭に置いて読み込みます。
困ったときは、AVSに問い合わせが可能です。
丁寧に対応してくれます。
[Feedback on dog licensing and animal-related matters] を選択して問い合わせをします。
シンガポールでは、犬の種類と住居の種類で頭数制限があります。
コンドミニアムだと3頭まで、HDB(公営団地)では1頭です。
多くの日本人駐在者は、コンドミニアムで暮らしています。
念のため、ご自身の会社が借りる住居の種類を確認してください。
またすでにシンガポールに家を借りている方は、念のため、オーナーに犬を飼うことが許されているか確認しなければなりません。
ちなみに我が家はコンドミニアムを借りる予定で、犬種はチワワなのでOKですが、全4頭は連れていけません。
d. 渡航条件(公共交通機関や航空機の搭載条件など)を満たせるか
公共交通機関、運営会社によって犬を載せられる条件が異なります。
必ず自分が利用する交通機関について詳細を確認します。
大韓航空では仁川経由便とはなりますが、条件さえ合えば、機内に一緒に搭乗できます。
詳しくは、大韓航空のページを参照ください。
余談だけど大事なこと
航空券の予約時に、犬の搭乗予約が別途必要です。
早めに渡航用ケージを準備する
航空機で渡航する場合は、頑丈で十分な広さのあるケージを用意する必要があります。
航空輸送にはIATA Live Animal Regulation (国際民間航空輸送協会 動物輸送に関する規則)に則った仕様を満たさなければなりません。
ちなみに我が家では、アイリスオーヤマのエアトラベルキャリーSサイズを2個用意しました。
犬のサイズはもちろん、両開きかつ取り外し可能なドア、上下ケースをボルト止めできる頑丈さを考慮して決めました。
出国までに慣れてもらえるよう、できる限り早い段階でハウス代わりにします。
ケージサイズに合わせたクッションベッドを用意してあげると良いでしょう。
なお、シンガポールでもずっとハウスとして利用できました。
気に入ってくれて良かったです。
また小型犬の移動には、リュックが便利で安心です。
ちなみに我が家は2頭分のケージと人間用のスーツケースを持って、電車での移動が必要なため、台車を購入しケージを2個重ねて運搬できるようにしました。
2. 連れていける場合には、何が要求されているか
さて、上記の条件をクリアできそうであれば、具体的な輸出入の条件を見ていきます。
日本国出国の必要条件
少しでも帰国する可能性がある場合は、すべて実施しておいたほうが、のちのち楽です。
マイクロチップは最初に入れなければなりません。
2年以内に帰国する可能性がある場合はすべての項目の処置が必要です。
しばらく帰国予定がない場合(永住など)は、日本の再入国要件は必須ではありませんので、検疫所に確認ください。
ただし後に解説する相手国入国条件を必ず満たす必要があります。
シンガポールへの入国条件
次に、シンガポールへの入国条件を見てみましょう。
シンガポール入国条件の注意事項
シンガポールでは犬および猫を飼う人はすべて、ライセンスを取得する必要があります。
つまり渡航後も居住中はライセンスを更新し続ける必要があります。
ドッグライセンスは、去勢/避妊していると、かなり安くなります。
去勢/避妊手術を行う場合はスケジュールに組み込みます。
とまあ、こんなにありますが、半分くらいの項目は日本の条件と同じです。
ただ、処置スケジュールに気をつけて実施する必要があります。
AVSが発行しているフローチャートはよくできていて便利です。
準備完了までお世話になります。
シンガポールへ犬を連れていくには、最短でも4か月は準備期間が必要です。
できれば、6か月の準備期間があると楽です。
3. 要求を満たすためのスケジューリングを行う
ペットのたくさんの要件をクリアしつつ、人間の引越し準備も同時に行わなければなりません。
したがって、途中で迷わないようにしっかり計画を立てましょう。
シンガポール入国に必要な項目を実行するスケジュールは計算機で瞬時に計画してくれます。
これに、日本の要求を追加していくと楽です。
使い方は簡単です。輸出国、犬か猫か、ペットの年齢、到着予定日を入力します。
間違いなければ、Searchを押します。
狂犬病予防接種の有効期限を入力します。
日本では1yearです。
血清を取ってから抗体価の結果が出るまでの日数を入力します。
日本では大体10~14日と言われています。
間違いなければSearchします。
すると、出国までに何をすればよいかのざっくりとしたスケジュールが出ます。
また、去勢/避妊手術をする場合は、このスケジュールに組み込みます。
*狂犬病抗体価検査は、出国90日~12か月前の採血が必要になりました。(2024年7月より)
*物品サービス税 (GST) の申告手続きが追加されました。Import Licence取得後に手続き。
手続きは入国5日前までに!
ちなみに、我が家の愛犬の準備スケジュールはこのようになりました。
シンガポールの計算よりはちょっとスケジュールに余裕をみています。
最後に
お疲れさまでした!
シンガポールへ犬を連れて行くのはなかなかの準備が必要であることがわかりました。
今回のまとめ
- 渡航まで6か月は準備期間としてみておく
- ペットの心身の健康状態、渡航条件を把握して、渡航に耐えうるか確認する
- 犬種による渡航の可否、頭数制限などにも注意
- 早めにケージを用意して慣れさせる
- 全体スケジュールを組んで、間違いがないか確認する
今回は計画を立てられたので、次回はこの計画をもとに、実行に移ります。
[4. 行動開始、要求事項を実施する] からです。
ちなみに、犬を実際にシンガポールに連れていく当日の手順解説はこちらです。
さらに、シンガポールに渡った後の生活はどのような感じか、その様子と注意点をお届けしています。
渡航後の参考にしてもらえると幸いです。
気軽にコメントください!
こんにちは☺︎
この春にポメラニアン 2頭をつれて渡星することになりました。
ブログとてもわかりやすくて助かっています。
参考にさせていただきながら、準備進めたいと思います☺︎
ビスコさんのお役に立てますと幸いです。
ブログ内の説明ではわからないことがありましたらいつでもご連絡ください。
また国内およびシンガポールの検疫所は細かいことでも丁寧に教えてくれますので、都度確認しながら準備することをお勧めします。
ご自身とワンちゃんの準備、両方で大変な時期かと思いますが、渡星後の楽しい生活のために頑張ってくださいね(^^♪
ご丁寧にありがとうございます☺︎
私は英語が話せないのですが、まるのるまさんのブログとてもわかりやすくて、見ているとできそうな気にもなってきてしまいます☺︎
渡星後すぐ自由に動けそうにないので、AVA申請、入国手続きとホテル一泊、送迎まではエージェントに依頼しようかなぁ〜と思っています(⌒-⌒; )
安心して預けられるペットホテルなどあればブログで紹介していただけると嬉しいです☺︎
人間の準備だけでも大変ですし、シンガポールでの犬の受け取り場所への行き方がちょっと複雑なので、業者さんにお願いできれば安心ですね^^)
ペットホテルはまだ利用していないですが、日本語が通じるお店もあるのでご紹介できるよう調査しておきます♪
[…] シンガポールへチワワ犬2頭と移住 その1 日本国内で計画編2017年冬シンガポールへの赴任の可能性が高まってきました。家族の一員である犬も一緒に連れて行くことにしました。我 […]
[…] シンガポールへチワワ犬2頭と移住 その1 日本国内で計画編2017年冬シンガポールへの赴任の可能性が高まってきました。家族の一員である犬も一緒に連れて行くことにしました。我 […]