海外赴任・移住からの本帰国は、新たな章の始まりを告げる重要な節目です。
この過程では、さまざまな手続きや準備が必要となりますが、それらをしっかりと行うことで円滑な帰国が実現します。
なお少なくとも、たいていの家の解約は帰国30日前、ペットとの帰国は40日前には手続きを開始しなければなりません。
この記事では、実際に帰国時に行った手続きを、帰国前の準備から帰国後までご紹介します。
本帰国が決まったら、すぐに手続きを開始しましょう。
基本的には、出国前に行った手続きはすべて反対のことを行います。
帰国前の手続き
帰国前は大忙しです。
今住んでいる国に関する手続きと、帰国後の生活に関する手続きの一部を同時に実行する必要があります。
帰国前の国に関する手続き
住居の解約
海外で借りていた住居の解約手続きを行います。
家賃の清算や敷金の返却などが含まれます。
原則、住居の契約書に書かれている日数までに、解約する旨を申告し、要求されるクリーニングを行います。
- 駐車場関係の解約手続き
- 電気水道ガスの解約
- 部屋のクリーニング
- Wifiやテレビの解除手続き など
日本と同様に、家のオーナーや管理会社立会いのもと、部屋の点検や清算手続き、鍵に引き渡しを行います。
パスポートの確認
忘れがちなパスポートの残日数の確認をします。
パスポートの更新は、各国の大使館や領事館、オンラインなどで行えます。
ちなみに、日本人が日本に帰国する際に必要な残存期間は3か月以上、です。
フライトの予約
帰国日が決まったら、フライトを予約します。
ちなみにペットと一緒の人は搭乗頭数制限があるので早めに予約します。
空港への送迎予約
大荷物となることが予想される本帰国。
早めに、空港までのタクシーを確保します。
またフライトが早朝深夜だったり、荷物が多い場合は、信用できる会社に予約しましょう。
ビザの返還
滞在ビザを持っている場合は、帰国前にビザを返還する必要があります。
この手続きは、出国前の一定期間内に行われる必要があります。
会社などで取り扱っている場合は、ビザの返却手順を早めに確認しましょう。
また、帰国時の空港でも手続きが必要な場合があります。
忘れると再入国できなくなったりするので、気をつけて取り扱ってください。
子どもの学校や習い事の手続き
お子さんがいる場合は、現学校や習い事の終了手続きと同時に、帰国先の学校などを探します。
帰国後に必要な書類を確認して、準備を行います。
ペットの帰国手続き
ペットの帰国には、さまざまな手続きが必要です。
入国先の条件と出国する国の条件両方を満たす必要があります。
とくに、帰国40日前までに日本の検疫所へ届出書を提出する必要があります。
日本国への入国条件
- マイクロチップ挿入
- 狂犬病予防接種
- 狂犬病の抗体価検査
- 出発前の臨床検査 + 輸出国政府機関発行の証明書の取得(Veterinary Certificate)
- 届出書の提出 → 受理書の確認
- (日本) 変更届の提出 (受理書の内容に変更がある場合)
とくに狂犬病が存在しないとされる日本への入国には、細やかなケアが必要です。
おみやげの準備
引越し荷物にお土産を入れる場合は、個数制限や、レシートの提示の必要性など条件があります。
各国で人気のおみやげが個数制限に引っかかったりするので、引越し業者に確認してから、お土産の購入にかかりましょう。
引越し・家財の手配
今まで使用していた家財道具や食料品などの処理を行います。
不要なものは売却したり、処分したりします。
また、期末の引越し業者は混雑するため、できるだけ早く申し込みます。
下見をしてもらい、必要な梱包資材を事前にもらい、ある程度の片づけは自分で行います。
行きと同様、優先順位をつけて、航空便、船便の仕分けを行います。
なお、食品、医薬品、新品未開封のモノなどは、持ち込み制限やレシートの用意などの条件があるため注意が必要です。
各種契約の解約、住所・連絡先変更
携帯電話、インターネット、テレビ、保険、ECサイトなどの契約を解約する必要があります。
解約手続きや解約料金の支払いを行います。
また帰国後にも利用できる銀行、証券口座、保険などもありますが、お金の関係はセキュリティが厳しく、電話番号が変わると日本からアクセスできなくなる可能性があります。
そのため、渡航前にできる限りの変更手続きを行います。
なお一時的に日本の電話番号がない場合でも、PCからはログインできるようにするなど対応が必要です。
また銀行引き落としにしている契約については、最終支払いのタイミングと、銀行口座の閉鎖のタイミングおよび残高に注意しましょう。
さらに、スマホのSIMは本帰国後でもオンラインで手続きできることがあります。
帰国ぎりぎりまで保持しておきましょう。
税金の整理:
海外での所得に関連する税金や、帰国に伴う税金の手続きを行います。
必要に応じて税金の申告や支払いを行います。
会社が手続きしてくれる場合も多いかと思います。
銀行口座の整理・送金
海外で使用していた銀行口座に関連する手続きを行います。
残高を送金したり、口座を閉鎖したりします。
なお海外の銀行は、日本でも利用できることがあります。
ただし、クレジットカードを海外利用する場合は、申請が必要です。
多くの場合はスマホのSMSなどでできますので、忘れずに実行しておきます。
なお、送金には、銀行よりWiseなどのアプリを利用したほうが手数料が安い場合があります。
帰国後に関する手続き
帰国先住居の確保
帰国準備をしながらも、帰国後の住居を確保するべく、家族や個人の状況に応じてアパートや住宅の探しを始めます。
最近はオンラインで下見することもできることが多いので、助かりますね。
また、帰国直後にホテル滞在7が必要な場合は、早めに確保します。
帰国先の電気水道ガスの再開手続き
帰国先に住居がある場合は、電気水道ガスなどの再開手続を行います。
最近はオンラインやメールで手続きができるので、前もって手続きを済ませておきます。
帰国先の通信契約
スマホSIMやWifiの手続きを行っておくと、帰国後に早めに利用開始できます。
早めに帰国先の電話番号が入手できると、各種手続きがスムーズになります。
海外勤務が多い人にとっては、工事不要で契約年数縛りの無いものがおススメです。
住居が確定していない場合は、一時的にプリペイドSIMを利用すると便利です。
帰国先の郵送物転送届の停止手続き:
郵便物を転送し続けてきた人は解除し、新居に郵送できるよう「転送届」を提出します。
オンラインでできるようになり、便利になりました。
期限切れ(1年超え)でも転送届が必要です。
さもないと「配達先不明」として、以前転送届を出した住所に戻ります。
ちょうど、前回の転送届から1年だったので、放置したら(再度転送届を出さずに見送れば)勝手に元の住所に戻ると思っていました。
元の住所に戻すために、転送届を提出する必要があります。
帰国に必要なアプリの入手と登録
最近の入国手続きはオンラインで実施できます。
またそうしていると早く空港から出られるメリットもあります。
帰国直後の生活用品の購入
日本の住居が確保できた場合は、すぐに必要になるものを注文しておきます。
食料品や飲料品が主です。
空港での手続き
渡航前にビザの手続き(必要に応じて)
国によっては、出国前にビザに関する手続きが必要な場合があります。
忘れると、二度と入国できない国もあります。
入国スタンプの入手
入国時は、パスポートに入国スタンプを押してもらうようにします。
運転免許や保険の再開などで、帰国日を証明しなければならない場合があります。
到着空港で荷物の別送品申告書に関する手続き
海外から航空便で荷物を輸送した場合は、税関手続きの関係上、別送品に関する手続きが必要です。
書類や、手続き方法、申告場所などについては、引越し業者から案内があります。
到着した安心感から忘れがちですが、必ず手続するようにしましょう。
帰国後の手続き
帰国後の手続き:
WifiやSIMなどの設定
オンライン時代、まずはWifiとSIMの購入設定を行います。
これさえできれば、様々なサービスの手続きがスムーズにできます。
昨今はネットスーパーが充実しているので、家に到着してすぐに買い物が開始できます。
帰国届の提出
- 戸籍謄本または戸籍の附票の取り寄せ
- 住民登録時に使用します。
戸籍が住民登録する自治体と異なる場合は、事前に郵送などで「戸籍謄本と戸籍の附票」を取り寄せましょう。
戸籍の入手までに1週間くらいかかります。
- 住民登録時に使用します。
- 住民転入届:
- パスポート、戸籍謄本及び戸籍の附票を持参して、住民登録します。
- この時、運転免許が失効している場合は本籍の入った住民票を、車を買うなら印鑑登録し印鑑証明と住民票を取得します。
- マイナンバーカードは、オンラインで申請ができるようになりました。
受取は本人が来庁する必要があります。
各種行政サービスがオンライン化し、更にスマホでICチップの読み取りができるようになっているため、マイナンバーカードがあれば役場に行かずとも、各種手続きができるようになってきています。
- 印鑑登録
- 住宅を持っている場合など、印鑑登録が再度必要です。
- 在外選挙人登録抹消
- 在外選挙人登録証は、帰国して国内市区町村に転入届を提出した場合,住民基本台帳に記載された後4か月が経過すると,在外選挙人名簿から抹消され,在外投票ができなくなります。
在外選挙人証は、裏面に記載されている選挙管理委員会に郵送または市区町村に返却します。
- 在外選挙人登録証は、帰国して国内市区町村に転入届を提出した場合,住民基本台帳に記載された後4か月が経過すると,在外選挙人名簿から抹消され,在外投票ができなくなります。
- 在留届への帰国届
健康保険の手続き
帰国後は日本の健康保険に加入する必要があります。
職場によっては社内で手続きが行われる場合もあります。
年金手続き
海外での勤務期間がある場合、年金手続きが必要になる場合があります。
国民年金や厚生年金などについて、手続きを行います。
銀行のグローバル契約の解除
グローバル契約などの解除を行います。
オンラインや書面で送付すれば終了できることが多いです。
海外赴任前に行った各種契約の解除
ホームセキュリティなどの、海外渡航前に行った契約を解約します。
税金関係の適用手続き
税金関係の手続きを行います。
とくに住宅ローンに関する「住宅借入金等特別控除」の期間が残っている場合にはできるだけ速やかに手続きを行います。
- 納税管理人の解任
- 住宅ローン控除の再適用手続き
各種住所および電話番号の変更手続き
オンラインショッピングサイト、保険、クレジットカード、各種アプリなどの電話番号や住所の変更を行います。
特に銀行は、振込などをするためには、電話番号の変更後、ワンタイムパスワードの登録が必要になります。
引越し荷物の受入れ
引越し荷物の到着の連絡が来たら、受け入れ準備を行います。
急激に荷物が増えるため、また大忙しとなります。
焦らずゆっくり片づけていきましょう。
子どもの学校手続き
子どもがいる場合は、帰国後の入学手続きなどを行います。
失効した運転免許の取得手続き
「やむを得ない理由があり、失効後6か月を超えて3年以内の手続」をします。
手続きには4時間かかりました。年末だったので混んでいたのもあります。
それよりも、
「失効手続は、免許試験の一部免除を受けての新規受験であるため、新たに免許を受けた日が免許の取得年月日となります。」
すなわち、『初心者マーク』表示者になります! ただし、
「外国の運転免許をお持ちの方は、初心運転者標識の表示の免除になる場合がありますので、その運転免許証もお持ちください。」
海外での免許を持っていけば対象外になる場合があります。
何にせよ、運転免許は失効させないのが得策です。
家や車のメンテナンス
長年放置した家や車は、どんなに見た目がきれいでも、やはりダメージを受けています。
我が家は1階床とガレージ、革製品がカビだらけでした。
何とか今暮らせているのは、ケルヒャー2台のお陰です。
体のメンテナンス
健康診断、歯医者などに行きましょう。
帰国の準備と移動で、疲れが溜まっていることでしょう。
気温の変化も大きいこともあります。
持病の通院はもちろん、歯のチェックとクリーニング、健康診断、美容院など、ゆっくり体調を整えていきましょう。
おまけ
LINEを海外の電話番号から日本の番号に変更する方法
電話番号の変更をする前にトークのバックアップをしないと、履歴がすべて消えてしまいます。
それに加えて、海外の番号から日本の番号に変更するには、一度アプリをアンインストールしなければなりません。
さいごに
これらは一般的な手続きであり、個々の状況や国によって異なる場合があります。
必要な手続きを把握するためには、帰国前にしっかりと調査と準備を行うことが重要です。
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