シンガポールは、罰則罰金が厳しい国として知られています。
では実際にはどのような行為で罰則が与えられるのか、お届けします。
ところ違えば常識も異なるのが文化。
郷に入っては郷に従えという言葉があります。
こと法律に関しては、”知らなかった”では済まされません。
日本では電車内で水を飲んでOKですが、シンガポールでは飲食は許されません。
また路上ライブも許可が必要、ポイ捨てには高額の罰金が設定されています。
とにかく他人に迷惑をかける行為はしないこと。
こうしてシンガポールの良好な治安が保たれています。
- シンガポールには、厳しい罰則罰金があり、とくに、他人を傷つける行為、それにつながる恐れの多い罪には思い罰則が科せられます
- 旅行者が気をつけたいのは、交通機関内での飲食で水を飲むのも禁止、公共のエリアへのドリアンの持ち込み禁止
- 国へのガムや電子タバコの持ち込み禁止にも注意で、お酒やたばこの持ち込みは税金に注意
- ドラッグの持ち込みは死刑、性的暴行には耐え難いむち打ち刑
- 国中に360度カメラがはりめぐされていて、逃げることは不可能
むち打ちもあるよ、シンガポール
2024年にはとうとう、日本人が女子大生に性的暴行を加えたとして、懲役17年6か月と20回のむち打ち刑を言い渡されました。
このむち打ち刑、日本ではなじみがないですが、シンガポールやマレーシアなどで行われています。
ちなみにシンガポールでは、毎年1000人以上の犯罪者に執行されています。
むち打ち刑の対象は、16から50歳の男性のみ。
なお女性および51歳以上の男性には、12か月以下の懲役が付加されます。
むち打ち刑は、全回数が1度に行われます。
あまりに過酷な刑のため、何度も繰り返し行われて受刑者が無駄に苦しまないようにするためです。
ちなみに、むち打ちは最大24打(18歳以下の少年は最大10打)です。
この刑は、殺人未遂はや暴行なども対象となります。
そのため、初めてむち打ち刑をうけるこの日本人は、かなりの重罪と判断されたことが分かります。
この刑は心身ともにかなりの苦痛が伴います。
そのため、医師により耐えられる身体と判断された受刑者のみに執行されます。
シンガポールの有名な罰則
シンガポールは、多民族国家で移民も多く治安を守るために、日本では軽犯罪とされる違反にも厳しい罰則が定められています。
シンガポールには、監視カメラが張り巡らされています。
したがって、絶対に逃げられません。
1. チューインガムの輸入/製造,販売禁止
罰金最大 $100,000 or/and 懲役最長 2年 罰金最大 $200,000 or/and 懲役最長 3年 (2回目) 販売:罰金最大 $2,000
国が路上のガム掃除に莫大な費用を要し問題視されていた最中の1991年、ガムにより地下鉄のドアが開閉できなくなった事故をきっかけに、ガムの輸入製造販売が禁止されました。
なお現在は、治療用として国に登録されている特定のガムのみOKとなっています。
ちなみに初回で10万ドルの罰金は、かなり厳しく感じます。
しかし、ガムがもたらす弊害がそれほど甚大だということです。
したがって、絶対に持ってこないように気をつけてください。
2. 飲酒運転
罰金 $2,000 - $10,000 or/and 懲役最高 12か月 罰金 $5,000 - $20,000 and 懲役最高 2年 (2回目)
35μg/呼気100ml or 80mg/血液100ml のアルコール濃度が基準です。
ちなみに日本の酒気帯びの基準は、0.15mg/呼気1L (15μg/呼気100ml)なので、2倍以上緩いです。
それでもなお基準を犯した場合、厳しい罰則が待ち受けています。
3. 禁止エリアでの喫煙
罰金最大 $20 罰金最大 $1,000(電車内)
シンガポールでは、喫煙できる場所がきっちり指定されています。
ちなみに、歩きたばこなどは厳禁。
また街中に張り巡らされている監視カメラにはタバコの熱を検知できるものがあります。
4. 公共エリアでの時間外飲酒
罰金最大 $1,000 罰金最大 $2,000 or 懲役最長 3か月
シンガポールでは、18歳からお酒を飲めます。
しかし、2013年に起きたリトルインディアでの暴動をきっかけに、指定エリア(Liquor Control Zones (LCZs))での深夜の飲酒は禁止となりました。
もちろん、家やホテルの部屋の中で呑む分には何時でも構いません。
ただし、コンビニでも、22:30には酒の販売が終了するので気をつけてください。
5. ポイ捨て
(1回目) 罰金最大 $2,000 (2回目) 罰金最大 $4,000 (3回目以降) 罰金最大 $10,000
なお、車の窓からのポイ捨てにはもっと厳しいです。
ちなみに、罰金最大 $50,000 and/or 懲役最大 12 か月、2回目は罰金最大 $100,000 and 懲役 1 か月 – 12 か月 (2回目)です。
ただ、街中にゴミ箱いっぱい設置されているのに、それでもなお川にごみがいっぱい。
もし、この法律がなかったらどうなっていることやら。
6. 道路横断
罰金$50 - $1,000 or 懲役最長 3か月 罰金最大 $2,000 and 懲役最長 6か月 (2回目)
50m以内に横断歩道があるのに、車道を横断した場合は犯罪となります。
ちなみに見たことはありませんが、不運にも検挙された場合は警察の指示に従ってください。
7. 他人のWifiの利用
罰金最大 $10,000 or/and 懲役最長 3年 罰金最大 $20,000 or/and 懲役最長 5年 (2回目)
許可なしに他人のWifiにアクセスすると、重い罰が待ち受けています。
8. MRT内での飲食など
罰金最大 $500
公共交通機関内でのルールは、かなり厳しいです。
なお、飲食、動物の持ち込み、切符の損傷、ポイ捨てやドリアンの持ち込みなど、迷惑行為全般が罰則の対象となります。
ちなみに暑い国なので、ペットボトルを持って乗車することもあるかもしれません。
しかし、バッグの中にしまって、飲まないように気をつけてください。
鉄道施設内での犯罪 | 罰金 |
---|---|
不法侵入 禁止された荷物やアイテムの持ち込み 折りたたみ自転車などの不適切な持ち込み 動物の持ち込み 指示への違反 満員電車への乗車 車内での飲食 迷惑行為 住み込むなどの行為 列車の特定のエリアに不法侵入 エスカレーターや動く歩道の誤用 遺失物の窃盗 | $500 |
喫煙 下水、排水廃棄物、その他不快な物質を敷地内へ流出、投棄 許可なしの物乞い、販売、展示、配布、宣伝など ドアへの干渉やドア操作 チケットの購入漏れまたは払い漏れ 入場料使用料を不支払い 車両の運転手が標識に従わない | $1,000 |
ゲートを経由せず有料エリアと無料エリア間で商品などを受け渡し 鉄道施設内でその他乗り物の運転 | $2,000 |
危険物の持ち込み 唾吐き、ポイ捨て、汚す 危険物を敷地内へ投下 鉄道車両、施設、機器、装置への接触、使用、干渉、損傷 緊急安全装置の誤用 鉄道資産の損傷 干渉や危険を引き起こす 破損チケットや期限切れのチケットの使用 鉄道構内に自動車を置き去りにする 車両の危険運転 | $5,000 |
9. 鳩への餌やり
罰金最大 $500
疫病をもたらす可能性があるため、鳩への餌やりは禁止されています。
ちなみに鳩の育成には許可が必要です。
10. 楽器の演奏で他人に迷惑をかける
罰金最大 $1,000
家でピアノを弾くにも注意が必要です。
また祝祭日には、お祈りで太鼓を叩いたりと、部屋でのどんちゃん騒ぎが問題になっています。
参加する際は、居住地では行わないよう注意が必要です。
さもないと、近隣トラブルに巻き込まれるかも。
11. 凧あげで交通を阻害する
罰金最大 $5,000
交通の阻害をすると罰金となります。
また、たこをあげてはいけない場所があります。
ちなみに、凧あげには、ウェストコーストパークとマリーナバラージがおすすめです。
12. 歌を歌う
懲役最長 3か月 or/and 罰金
シンガポールで路上ライブをするには許可が必要です。
許可なしでライブをすると罰則があります。
なお、”シンガポールの土地はすべて国のもの” を頭に叩き込んでおけば、何をするにも許可が必要と分かります。
13. 唾を吐く
罰金最大 $2,000
国の土地に唾を吐いて、他人に迷惑をかけるなんて、もってのほか。
したがって、唾1回で、20万円の罰金です。
14. わいせつな物を配布
罰金最大 $2,000 or/and 懲役最長 3か月
日本では未だにアパートや公衆トイレなどで宣伝物が貼付や配布されていますが、シンガポールではわいせつ物を目にすることはありません。
15. トイレの流し忘れ
罰金最大 $1,000 and 最大 $100 /日 or /回 (1回目) 罰金最大 $2,000 and 最大 $200 /日 or /回 (2回目) 罰金最大 $5,000 and 最大 $500 /日 or /回 (3回目)
公共トイレの流し忘れには注意が必要です。
日本みたいに自動洗浄などほぼ無いので自動トイレに慣れてしまっている人は、とくに注意が必要です。
ちなみに公共団地のエレベーターで尿を垂れ流す人が続出したため、多くのエレベーターに匂い検知器を設置しており、感知すると警察が到着するまでドアがロックされます。
したがって、愛犬とエレベーターに乗るときも注意してください。
16. 家で裸でうろつく
罰金最大 $2,000 or/and 懲役最長 3か月
家の中で素っ裸の人もいるでしょう。
年中暑いシンガポールではよくあること。
ただし、外から見える場所での裸は、たとえ家の中でもダメです。
とにかく、他人に迷惑をかけないように生きること。
そして、”思いやり”を持っていれば大丈夫です。
17. 落書き
罰金最大 $1,000
シンガポールでは、チョークで道路に絵を描く子どもたちでさえ、厳密には犯罪です。
ただそこまで通報する人はいませんが、アートか落書なのか、損傷しているのか価値を上げているのかの論争はあるものの、結論として国の土地に勝手に手を加えると、Out!
18. 入国前のドラッグ使用
罰金最大 $20,000 or 懲役最長 10年
シンガポールで髪の毛や尿を検査されて陽性であれば、どこで薬物を接種したかは関係なく有罪です。
したがって、シンガポールから他国へ行く場合、行先でOKの薬物の摂取には注意してください。
なおシンガポールでは、多量の禁止薬物持ち込みは死刑になります。
そのため、他人の荷物は絶対に引き受けないこと!
19. 同性愛
懲役 2年
シンガポールではたびたび議論になる同性愛の禁止。
とくに男性同士の同性愛が、厳しく禁じられています。
なお他人が勝手に暴くことは禁じられているものの、発覚したら懲役刑となるこの法律。
時代の流れとともに、近いうちに変わっていくかもしれません。
20. 爆竹の使用
罰金最大 $1,000
とくに旧正月(春節)に街中で発せられる爆竹音、とおもいきや、シンガポールではあまり多くはありません。
ちなみに通報されると高額の罰金が課せられるので、許可取得済みの公共の花火イベントを楽しむことをお勧めします。
21. 池で魚釣り
罰金最大 $10,000 or/and 懲役最長 12か月
日本でも漁業権が必要な場合がありますが、シンガポールの池の水は飲用水になるため、釣りについては厳しく管理されています。
なお海に見えても淡水のこともあり、シンガポールで釣りをする場合は、Fishing Areaと書かれている場所のみで実施することをお勧めします。
なお、ルールさえ守れば楽しい釣りライフを送ることができます。
22. 危険な動物を飼う
懲役最大 7年 or/and 罰金
東南アジア特有のカラフルな爬虫類が近隣の公園内を闊歩していますが、蛇などをはじめ危険な動物は許可がないと飼うことは禁止されています。
ちなみに犬でさえライセンスが必要な国、危険動物への対策が不十分な場合は懲役刑が科されます。
23. 体罰
即時解雇
シンガポールは、とくに女性を優遇する国。
学校でも刑務所でも男女で差があり、女性への体罰や女児の面前での体罰が禁じられています。
しかし一方、学校の指定の管理下にて、男児を棒で叩く体罰は許されています。
24. 著作権の侵害
罰金最大 $1,000
シンガポールでも、もちろん著作権の侵害が禁じれらています。
ただ正直なところ、マーケットで偽物ブランドの服やバッグを見かけることは日常茶飯事です。
ちなみに1着1000円くらいなので誰も騙されませんが、イミテーション好物国と親密な関係である以上、食い止められない実態があるようです。
ちなみに近年フェイクニュースの発信も犯罪として設定されました。
すでに検挙された人がいます。情報管理は慎重に!(Miscellaneous Offences (Public Order and Nuisance) Act 14D)
シンガポールでよくある詐欺メール
日本と同じく詐欺メールやフィッシング詐欺が横行しています。
シンガポールの人口は少なく電話番号の数が少ないため、日本より多いかもしれません。
シンガポールの電話番号は、前回誰かが使用していた番号をすぐに次に転売するため、以前の人への連絡があることも。
またお金が絡む内容のSMSが多く、宣伝なのか詐欺なのか区別がつきにくいです。
もし気になる情報がある場合でも、下手にクリックせず、自ら検索して情報を探すべきです。
メール詐欺はもう万国共通ですね。
Googleさんが警告を出してくれる場合は良いですが、そうでない場合でもリンクのクリックに安易に個人情報の入力をせず、公式サイトを別ページで自ら開いてログインして情報を確認すべきです。
またメールだけでなく、Covid-19に乗じた電話での押し売りや警察を語る詐欺などが横行しているとの情報があります。
警察が電話で個人の口座番号やID、パスワードなどを聞くことはないので安易に応答しないでください。
最後に
国が違えば文化も違う。
治安は、罰則を設けて守るのか、マナーで守ることができるのか、国民性が問われるところです。
シンガポールは、問題が起きれば翌日には法律として設定できる国です。
多民族国家であり各国の常識が異なるため、法律が厳しくなる傾向にあるのは仕方のないことです。
ですが、日本もシンガポールも生活が窮屈にならないよう、他人に迷惑をかけることの無いよう気を配り、生活していけるよう努力したいものです。
- シンガポールには、厳しい罰則罰金があります。とくに、他人を傷つける行為、それにつながる恐れの多い罪には思い罰則が科せられます
- 旅行者が気をつけたいのは、交通機関内での飲食で水を飲むのも禁止、公共のエリアへのドリアンの持ち込み禁止
- 国へのガムや電子タバコの持ち込み禁止にも注意で、お酒やたばこの持ち込みは税金に注意
- ドラッグの持ち込みは死刑、性的暴行には耐え難いむち打ち刑
- 国中に360度カメラがはりめぐされていて、逃げることは不可能
気軽にコメントください!
こんにちは。シンガポールのガムや唾の禁止は知っていましたが、まだまだ日本よりいい法律がありますね。旅行で行った時は、他人に迷惑を掛けないように気をつけたいと思います。いい情報をありがとうございます。
ナルカナ様 コメントありがとうございます。法律が多すぎるのは少し息苦しいですが、自制するきっかけになっています。