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ブギス – 貿易街からトランスジェンダーの街を経て開発地区へ

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シンガポールの大型都市再開発地区であるブギス。じつはこの街は、短くも波乱の歴史を経て今の姿になりました。そしていまや、大型モール、国立図書館や大型病院、アラブ街と老若男女が集まる街に。今なお独特の文化が遺るブギスの街並みをご紹介します。

ブギス とは

1965年8月9日にマレーシアから独立したシンガポール。それまでは、都市としての開発が全く進んでいない貿易地区でした。

なお、かつてのブギスエリアには運河がありました。そしてインドネシア スラウェシ島の民族であるブギス族が、祖国の商品や船を持ち込み販売していたのです。

また同時にBlack Streetと呼ばれた日本人用のクラブ街が存在し、このエリアの性産業も発展していきます。

そして60-70年代、より貿易が盛んになるにつれて、人が多く集まる地区となりました。それにあわせて、ホーカーなどが立ち並び始めます。また同時にトランスジェンダーが集まる地区としても有名になり、イギリス人をはじめ各国の人が集まる観光地へと発展しました。

そして80年代半ば、大規模な都市開発を経て、道路が整備されます。そのため、路上店舗を吸収して大型モールが建設されていき、現在の大型ショッピング街の姿へと変貌を遂げました。

それでも今なお周辺を散歩してみると、様々な文化が入り混じる独特な雰囲気を醸す地区であり、美しい建築物やアートなどを堪能することができます。

ブギス ジャンクション (Bugis Junction)

ブギスジャンクションは、いくつかの建物をつなげた大型モールです。各種小売店はもちろん、オフィスとインターコンチネンタルホテルもつながっています。また、ギブス駅から直接アクセスができます。

ブギス ジャンクション

なお一見、普通のショッピングモールですが、通りがアーケードで覆われています。そのようにして、いくつかの建物をつなげて利用しています。

ブギス ジャンクション
ブギス ジャンクション

また面白い自販機が多くあります。たとえば、フィギュアやココナッツジュース、多肉植物、シンガポールの電車グッズなど、様々なアイテムが販売されていて、人気となっています。

さらに、ゲーム三昧のフロアがあります。大型スクリーンが立ち並ぶオンラインゲームのお店や、入り口にUFOキャッチャーがびっしり並ぶ超大型ゲームセンターなどもあります。

ブギス ジャンクション
ブギス ジャンクション

VIVOシティなどの一般的なモールとは少し雰囲気が違います。また、日本食のお店も多く、映画館もあり、有名ブランド店舗はもちろん、多くのセレクトショップがあって、ショッピングに飽きないモールです。

ブギス ストリート

とくに学生などの若い方に人気のブギスストリートです。かなり雑多でファンキーな雰囲気です。1階、2階にはびっしりと激安商品のお店が立ち並んでいます。最初は迷子になるかと思うほど、狭い通りに多くのファッション店舗があります。

ブギス ストリート
ブギス ストリート
ブギス ストリート

3階にはネイルアートのお店がずらっと並んでいます。おしゃれな女の子たちが、ここでかわいいネイルを描いてもらっています。

アラブ ストリート

アラブストリートは、文字通りアラブの文化が集結している地区です。ブギス駅から歩いて5分弱。サルタンモスクを中心とした500m四方程度の小さな一角に、さまざまなお店とアートがひしめいています。

朝は人が少なくとても美しい街です。

アラブ ストリート

美味しいお店がたくさん集まっています。有名なChix Hot Chickenのチキンは、辛い物好きも唸らせる本物の辛さと旨さを提供しています。また、Blanco Court Prawn Meeのプロウンヌードルはとても人気があります。

さらには、ホーカーなどの運営を支える雑貨店、釣り道具屋さんが有名です。なお、布に関してはここに来れば欲しい生地が手に入るといっても過言ではありません。特にシルク生地は4ドル/1m程度からあり、見間違いかと思うほど安いです。

かつてCovid-19で客足が途絶えた街、今また多くの観光客でにぎわっています。

アラブストリートは、ウォールアートがとても人気。たくさんあるので後の項目でご紹介します。

ムスリム墓地 (Muslim Cemetery)

アラブストリートから大通りを挟んで向かいにあるムスリム墓地。日本に居るとなかなか出会えない文化を拝見できます。

入口には「Enter at your own risk」の看板。もう運営されていない墓地なので、自己責任で入ってくださいとのこと。逆に言えば自己責任で入っても良いということ。

ですが、イスラム教のお墓は土葬です。安易に入るとそこが誰かの眠るお墓の上かもしれません。なので入り口付近から拝見しました。

ムスリム墓地
ムスリム墓地

墓地自体は広くはありません。シンガポール最古のイスラム教徒の墓地の1つで、厳かな雰囲気の林の中にあります。

なお運営されていないため手つかずの状態です。ただ、それがかえってシンガポールの歴史を語っている気がします。

ムスリム墓地

現在はシンガポールの西の端に広大なPusara Abadi Muslim Cemeteryがあり、ご遺体がそちらに移されています。またその周囲には、中国系のチョア・チュー・カン墓地をはじめ、さまざまな宗教の斎場とお墓があります。

国立図書館 (National Library Building)

本が好きな方にはぜひ行ってみて欲しい国立図書館。なんと、この建物すべてが図書館です。

国立図書館
国立図書館

まるで博物館のような入り口です。

国立図書館

一般開放されているパブリック図書館は、地下1階にあります。もちろん利用自体は無料です。なお本を借りるには、日本人は登録料と会員費が必要です。

地下1階の館内奥には子供用のスペースも用意されているので、家族で利用するときも安心です。また、さすがシンガポール、本の管理はロボットが担当します。

さまざまな言語の各国から集められた本があり、とても面白く、何時間でもいられます。

また上の階には国の大変貴重なコレクションが並べられています。ただしCovid-19の状況によっては、予約が必要です。見晴らしが良い場所での読書は最高です。

信じられないくらいたくさんの良い本があって、いり浸りたいくらい良い場所です。

ブギスのアート

ブギス周辺は、アラブストリートを中心にド派手なウォールアートがいっぱいです。決して広いエリアではないのですが、いたるところにウォールアートがあります。

ブギス周辺の様子

ブギス周辺には、大型の病院があるので在住の日本人にはなじみがある街です。またマリーナベイやオーチャード、F1のコースにも近いため有名ホテルがたくさんあります。

また大通りから一歩入ると歴史的建造物が遺されており、たくさんの火鍋のお店が並ぶ火鍋通り(Liang Seah St)もあります。

最後に

ブギスには今の整然とした開発地区の姿とは全く違った動乱の歴史背景があります。それもここ50年くらいの間に大きく変わってきたので、当時の様子をよく覚えている方がたくさんいらっしゃいます。

ブギスは、目まぐるしく発展していくシンガポールの変化を、色濃く映し出している街のひとつと言えるでしょう。

この記事を書いた人
Gney

航空会社での勤務を経て、ペットとの海外生活や各国への旅行を体験し、カメラや釣りに興味をもつ工学理系女です。
世界のどこにいても生きて行けるよう精進中。

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